コンテンツ情報
公開日 |
2012/07/13 |
フォーマット |
PDF |
種類 |
技術文書・技術解説 |
ページ数・視聴時間 |
4ページ |
ファイルサイズ |
659KB
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要約
ソリッド・ステート発振器で発生する周波数ドリフトの主な要因には、LC共振回路の温度特性によるものと、パッケージに起因するものとの、二つのタイプがある。理想的なLC共振周波数はインダクタンスと静電容量によって計算されるが、現実にはインダクタの抵抗成分の影響を受ける。この抵抗成分が温度によって変動するため、周波数も変動する。また、チップから漏れ出る電磁界は、パッケージや周辺の誘電率や透磁率の影響を受けて変化するため、周波数ドリフトが引き起こされる。
これら、温度特性およびパッケージ要因の周波数ドリフトは、それぞれ、受動的な温度補償回路およびシールド技術によって解消される。温度特性要因のドリフトについては、抵抗を加えたコンデンサによってインダクタの抵抗成分による影響を打ち消すことで解消され、パッケージ要因については、特殊なシールドで電磁界をチップ内に閉じ込めることによって解消する。
上記手法により、ソリッド・ステート発振器は、わずか2mAの消費電流でありながら、±100ppm以下の周波数安定性を-20℃~70℃の温度範囲で達成し、なおかつ、2ps未満の優れた位相ジッター特性を実現する。