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アクテルジャパン株式会社

技術文書・技術解説

アクテルジャパン株式会社

FPGAの信頼性と太陽黒点周期

中性子によって半導体チップが誤動作する、いわゆるソフトエラーの発生頻度は、太陽の黒点周期に相関がある。世界中の測定データによると、海面レベルの中性子束は増加し続けており、エレクトロニクスシステムの設計者はもはやこの影響を無視できなくなっている。

コンテンツ情報
公開日 2010/12/01 フォーマット PDF 種類

技術文書・技術解説

ページ数・視聴時間 22ページ ファイルサイズ 2MB
要約
 宇宙線が地球の大気圏を通過し、高層大気中のガスと反応すると、高エネルギーの中性子が生成される。これが地上レベルに到達し、半導体に接することでソフトエラーが発生する。このソフトエラーの発生頻度と太陽の黒点周期には、次のような相関がある。つまり、太陽の黒点数が多いときは中性子数が少なく、ソフトエラーは発生しにくいが、太陽の黒点数が少ないときは中性子数が多くなり、ソフトエラーが発生しやすくなる。一般的に、太陽黒点数がいったん減少サイクルに突入すると、再び増加し始めるまで中性子数は減少しない。そして現在、黒点数は2008年初めから2009年8月までほとんどゼロで、その転換期はまだ不確定である。すなわち現在は、中性子数が非常に多く、ソフトエラーが発生しやすい時期だといえる。

 本稿では、宇宙線と中性子、太陽黒点周期の関係性について詳しく説明する。また、SRAMベースのFPGAが抱えるソフトエラーの問題を指摘し、FPGAにおける究極のソフトエラー対策とも呼べる、フラッシュFPGAやアンチヒューズFPGAを紹介する。