自動テストシステムを「必要悪」から「戦略」へ。

　製造テストが製品開発に対する投資の対象として優先的に検討されることは少ないものの、製品品質は企業のブランドに大きな影響を与えている。また、品質向上や市場投入期間の短縮が事業に与える好影響を定量化するのは容易ではないため、多大なコストが掛かっている可能性があるにもかかわらず、詳細については正しく理解されていないケースが少なくない。

　しかし、優れた企業は、「製造テストを必要悪」としてみるのではなく、むしろ戦略的にテストシステムの開発、導入、運用に掛かるトータルコストを把握し、市場競争力を維持しています。実際、自動テストに掛かるコストは、テスト用のラックの購入費用やオペレーターの時給よりもはるかに複雑だ。

　本稿では、テストの総所有コスト（TCO）を把握するために必要なツールや手法について考察し、大幅なテスト削減が見込める変革の提案に焦点をあてる。より賢明な投資判断による利益率の向上に寄与することが期待される。