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アナログ・デバイセズ株式会社

技術文書・技術解説

アナログ・デバイセズ株式会社

ADCの性能を引き出す容量性プログラマブルゲインアンプ(PGA)

アナログ入力信号のコモンモード電圧除去比が優れている容量性プログラマブルゲインアンプ(PGA)。なぜこのアーキテクチャが、センサーからの小振幅な信号を電源レール近くまで増幅したい場合に最適なのかを実例を交え解説する。

コンテンツ情報
公開日 2022/03/30 フォーマット PDF 種類

技術文書・技術解説

ページ数・視聴時間 5ページ ファイルサイズ 879KB
要約
 高いダイナミック・レンジが得られ、応答性が低く帯域幅が狭いセンサーを使うアプリケーションに広く採用されているΣΔ変調型のA/Dコンバーター(ΣΔ型ADC)は他のアーキテクチャよりもノイズを小さく抑えられる。その性能を最大に引き出す方法としてアナログデバイセズはΣΔ型ADCに容量性PGAを採用している。

 容量性PGAは、コンデンサーベースなのでノイズを生じないだけでなく自己発熱もないため、抵抗ベースのPGAとは異なり、オペアンプの数を減らすことができ、オフセット、ゲイン誤差、ドリフトの各仕様においても優れている。そして最大の利点は、入力コモンモード範囲をレールtoレールより拡大できることで、これにより、センサーのコモンモード電圧を正電源と負電源間のほぼ任意の値にバイアスすることが可能になる。また抵抗性PGAの場合、コモンモードの制約によってゲインを抑えられてしまうため電源レールを引き上げたり外部部品が必要になったりするが、容量性の場合は入力コモンモード電圧をアンプ内部のコモンモード電圧から分離できるため、容易に対処できる。

 本稿ではホイートストン回路や熱電対の用途を例に解説する。