アメリカをはじめ多くの国の医療分野では、提供された診療行為の点数の積み上げから医療費が算出されるFFS(Fee for Service)というシステムを採用している。しかし医療費は長年にわたり増大し続け、患者の転帰(けがや病気の治療の結果)の改善よりコスト削減やリスク回避が優先されてしまう傾向にある。
そこで、医療費を抑えつつ転帰を改善する世界的な取り組みが進められているが、その中でも注目されているのがバリューベースケア(VBC:Value-based Care)だ。しかしVBCの導入には、VBCの技術、ワークフロー、経済構造、規制の課題を解決しなければならない。
本稿では、VBCが求められる背景から、導入の障害となっているもの、導入の転機、そしてアナログ・デバイセズが、この事案に対しどう貢献しているのかについて言及する。