近年、義肢装具への需要は世界的に高まっており、メーカー間の競争が激しくなっている。競争力を高める上で重要な点は、高度なカスタマイズだ。ただ、従来の手法では、利用者一人一人に合わせた設計開発をするためには大幅なコストの増加が避けられず、特に成長に合わせて作り直す必要がある小児用義肢のユーザーたちを悩ませてきた。
当然だが、肌の色合いや指の長さ、ソケットのデザインパターンなど、高度なカスタマイズ製品をよりリーズナブルな価格で提供できれば、そのメーカー製品への需要も信頼も高まるだろう。その実現ハードルは今や現実的なものになった。従来における数個の設計案の検討と変わらない手間で、数百、数千の設計案を解析して、ユーザーに合わせて最適化することが可能になったからだ。
スマートフォンやタブレットを使って装着する箇所をデジタル化し、3Dプリンタと組み合わせることで、対面することなく個々の体形にマッチした義肢を提供することも可能になる。今後さらに変化が加速するだろう義肢設計の最前線を、本資料で紹介していく。