米国の義手メーカーであるUnlimited Tomorrowは、ユーザーが自宅に居ながらにして義手をフィッティングできるリモート手法によって、パーソナライズ義手を無理のない価格で提供している。従来は、発注からフィッティングまで6カ月程度かかり、子供が新しい義手を手にするころにはもう小さすぎて装着できないということも珍しくなかった。しかし、同社は従来の5分の1の時間で義手を製作できる。
このスピード感が同社の強みの1つだが、これにブレーキをかけたのが残肢と接するソケットの製作だ。ソケットは腕を動かすセンサーが付属している上、義手の着け心地を左右する。モデル作成には複数のツールを併用する必要があるために時間がかかり、修正も容易ではない。同社には、より効率的にソケットを最適化できるツールが必要だった。
そこで採用されたのが、3D CAD/CAM/CAEを統合したツールだった。ソケットの形状を今まで以上に細かく制御可能な上、形状に手を加えても全てのプロセスをやり直す必要がなくなったという。義手業界に革命を起こした同社に、さらなる品質と一貫性をもたらした同ツールは、義肢をはじめとする多様な領域で活躍しそうだ。