製造業における不適合品の発生は、多大なロスコストが発生するだけでなく、損害賠償やリコールなどの大きな問題に発展する要因ともなりかねない。こうした状況を回避するには、不良原因と影響範囲を早期に特定する「トレーサビリティー」の実現に取り組む必要がある。
トレーサビリティーとは日本語で「追跡可能性」のことであり、原材料や部品の調達から加工、組み立て、流通、販売までの工程について、製造者・仕入れ先・販売元を記録して履歴を残すことを意味する。一方、多くの製造現場では、紙帳票などに手書きされたアナログデータのデジタル化が進んでおらず、設備情報や作業手順などを最新状態に更新できていない。
また、現場から報告を受け施策を検討する対策会議も、調査に必要な情報入手に手間取り、暫定的な対策が多発・恒久化しているのが実情だ。本資料では、トレーサビリティーの実現には「情報の蓄積」が重要であると提起し、前述の課題をデータ利活用によって解決するための5つのステップと、各ステップでの注意点を解説する。