多くの製造企業が、シミュレーション主導型の設計への転換を進めている。シミュレーションは、設計した製品の性能を解析、検証し、最終的な品質を高めるために不可欠なツールであり、これを既存環境に誰もが使える形で組み込み、設計開発プロセスの初期段階から頻繁にシミュレーションを実施できるようにすることで、さまざまなメリットがもたらされるためだ。
その最たるものが、開発時間や開発コストの削減だ。実際、ある調査によると、シミュレーション主導の設計を実践している企業では、そうではない企業と比べて、平均で10%も物理的な試作に費やす時間とコストが少なくなっている。さらに、全体の製品開発の期間も、平均で13%短縮されているという。
本コンテンツでは、シミュレーション主導の設計の実践が、製品の最終的な品質はもちろん、その開発プロセス全体に及ぼす好影響について解説する。併せて、クラウドベースで提供される3D設計アプリケーション群を例に、既存ワークフローにシミュレーションを組み込む方法や利用できる主な解析の種類についても解説するので参考にしてほしい。