流体解析のシミュレーションには、一般的に膨大なコンピューティングリソースが必要とされる。従来の流体解析ソリューションの多くは、コンピューティングに搭載されたCPUの動作クロックやコア数などが演算処理のスピードに大きく影響していたが、演算の主体的な役割をGPUに担わせることで、状況はどう変わるのか。
理論上は、CPUに比べて並列処理能力に優れたGPUの方が、流体解析に限らず、さまざまなシミュレーションや演算処理に向いていると考えられる。そこで、汎用熱流体解析ソフトウェアのAnsys Fluentに新しく追加されたGPU専用の演算機能を使用し、「冷却装置内の気流の流れ」「歯車の内部流」といったケーススタディーにおける、CPUとGPUそれぞれの計算速度を比較した。
本コンテンツでは、Ansys Fluent 2023 R1バージョンにおける同機能の概要やメリットなどについて解説する。その上で、GPUソルバーを利用することでどれだけのアドバンテージがあるのかについても、3つのケーススタディーを通じて具体的な数値で示しているので、参考にしてほしい。