労働人口の減少により、設備の点検やメンテナンスを行う「修理人材」の不足は危機的な状況にある。これに対し、対象となる機械類の8割以上が高経年化しており、社会基盤でも建設後50年以上が経過したものが60%に及んでいる。こうした課題の解決策として期待されるのがロボティクス技術とデータ解析だ。人が入れなかったり、危険を伴ったりする環境での運用が始まっている。
中でも注目されているのが、世界最小級の点検ドローンだ。わずか20センチ、243gという極小の機体サイズに、壁にぶつかっても安定して飛び続けられる狭所専用の制御技術を搭載。人が入れないほどの狭く暗い屋内でのデータを取得し、狭小空間の内部の設備状況を正確に把握できるため、設備点検作業の属人化も一気に進められる。
他にも、従来機の1.5倍に相当する最大11分の飛行が可能で、電波の届かない場所でも飛行可能なエクステンションアンテナ、IP51規格に対応した防塵構造モータ搭載など、その特長は多岐にわたる。すでに鉄道・鉄鋼・建設・プラントなど多数の企業で導入されており、その信頼性も高そうだ。