ディスクリート半導体デバイスの温度が上昇傾向にある背景には、幾つかの原因がある。1つは、電子機器の小型化による自己放熱の減少であり、もう1つは、高密度基板実装に伴う周囲動作温度の上昇だ。さらに、動作の高速化も熱発生を増加させる大きな原因となっている。
この熱は電子機器の小型化や高性能化に対するトレードオフともいえるが、その結果、半導体部品が自己熱の上昇によって動作不良を起こすだけでなく、周囲の部品にも悪影響を及ぼすリスクが高まる。この熱問題を軽減する方法には、多層PCBの導入や放熱器の利用、銅パターン層の増加などが知られているが、それぞれの効果は設計条件によって大きく異なるためシミュレーションでの評価が不可欠となる。
本資料は、それぞれの手法がどこまで有効で、どのようなパラメーターがより良い結果をもたらすのかをシミュレーションし、その結果を分析した内容となっている。最適な熱性能を発揮する表面実装パッケージの使用に当たって、具体的な熱設計アプローチを提示した本資料を参考に、自社における電子機器設計段階での熱問題解決に役立ててほしい。