シビアな電圧レギュレーションが求められる電源設計の場合、データシートに記載されている数値や使用する抵抗の許容誤差、電圧のダイナミック精度も考慮する必要がある。特にダイナミック精度については、負荷過渡応答が発生すれば、出力電圧が安定するまでにそれなりの時間がかかってしまう。また許容電圧範囲を逸脱する変動量も大きくなってしまう。
ダイナミック電圧スケーリング(DVS:Dynamic Voltage Scaling)は、レギュレーターの出力電圧を設定値に近づけるように微調整し、負荷過渡応答による変動を軽減することで、さらに厳密なレギュレーションを可能にする技術である。本稿ではDVSのメリットを、事例も踏まえて解説する。