上面放熱(TSC)パワーデバイス(以下、TSCデバイス)は表面実装デバイスの一種であり、パッケージ上面から熱を放散するという特性を持つため、電力密度の向上、電力損失の低減、製造の簡素化、電気的性能の向上などが可能となる。しかし、TSCデバイスの利用に際しては、解決すべき幾つかの課題がある。
その課題の1つが、全ての機械的公差を最小化して、高い放熱性を得るために可能な限り薄いギャップフィラーを実現することである。もう1つが、必要な絶縁を確保することだ。これらの機械的な課題さえ解決できれば、TSCデバイスはアプリケーションの熱問題を解決するための優れたソリューションとなる。
本資料では、スルーホールや底面放熱のデバイスとの比較において、TSCデバイスの利点を解説した上で、600V以上の高電圧アプリケーション向けに設計されたTSCパッケージの特徴や利点を述べている。そして、2つの課題を解決するための組立方法、サーマルスタックおよびそれらが熱性能に与える影響などについても言及する。