包装材として欠かせない素材の1つである透明フィルムだが、そのほとんどが石油由来であり、自然環境で分解されないものが多い。環境意識が高まる中、こうした素材の使用を減らすべく注目されているのが、環境負荷の低いセルロースを主成分とする「セロファン」だ。環境特性以外にも手で容易に引き裂ける、耐熱性により熱での変形や融解がほとんどないといった特徴を持つ。
このセロファン製造は国内でも行われており、老舗メーカーでは通常のセロファンの他、コーティングによって機能性を持たせた製品や、生分解性プラスチックとセロファンをラミネートしたフィルム素材など、さまざまな派生品を開発している。その一例が、アルミ蒸着により酸素や水蒸気に対するバリア性を確保し、内容物の劣化を抑えることができるというもので、ティーバッグの包装などに採用されている。
同社ではこの他にも、セロファンの元となるビスコースを応用した製品の開発・提供も行っている。環境負荷低減や機能性向上だけでなく、高級感のあるパッケージによる付加価値など、さまざまな目的に合わせた活用方法が見いだせるはずだ。