近年、工作機械・ロボットメーカーにおける製品設計者から「電源」に関わる悩みの声を聞くことが多くなった。工作機械・ロボットの進化に合わせて電源への要求も変化しており、汎用電源では対応しきれないケースが増えた。しかも、設計者が電源選定における知見を持っていなかったり、多忙で時間がなかったりすることも多く、カスタム電源への変更は容易ではない。
そもそも一口にカスタム電源といっても、カスタムの度合いによってフルカスタム電源とセミカスタム電源に分けられる。フルカスタム電源は要求仕様に合致した製品を調達できるが、一定の開発期間を要する。セミカスタム電源なら汎用電源をベースに出力電圧・出力数などの小規模な変更に対応するため、開発期間を短縮でき、より安価になる。
ただ、高度な技術装置であるFA機器・工作機械は多様なアプリケーションで利用される性質上、電源容量以外にも特殊な要求事項が多い。また、カスタム電源の開発は専門のメーカーに委託することが一般的だが、それでも一定の知見・工数が求められる。そこで本資料では、カスタム電源開発のポイントを基礎から解説するとともに、その具体的な解決策を紹介する。