増大するデータストレージの需要に対応するため、データセンターの拡張・新設が活発化している。しかし、無計画な拡張は電力需給の余裕を失わせる事態にもなりかねず、同時に消費電力の抑制も強く求められている。
より優れた効率を達成するため、エンジニアのコミュニティーであるOCP(オープンコンピュートプロジェクト)では、48Vバスラインを採用したオープンラックアーキテクチャを提案している。これなら理論上は、従来の12Vバスラインに比べて電力損失を16分の1に低減させることができる。このオープンラックアーキテクチャを実現する上では、DC-DCコンバーターが重要な役割を果たすが、搭載するパワーMOSFET次第では、期待したような効果が得られないこともある。
そこで本資料では、効果的な48Vバスシステムを実現するための、ハーフブリッジDC-DCコンバーターの設計技法を紹介する。リファレンスデザインにおいては、採用したパワーMOSFETの効果が発揮され、わずか160mm×100mmの基板サイズで、トータル効率92.8%(Vin=54.5V、30%負荷時)を達成している。