企業や組織の購買・調達部門は、その業務でERPシステムに付属する、あるいは追加できるP2P(Procure to Pay:購買から支払いまで)のモジュールを使用している。こうした環境においては当然、その業務プロセスで生成されたさまざまなデータのERPシステムへの統合はスムーズだが、それ以上のメリットを見いだせないという声も多い。
特に問題視されるのが、レガシーERPシステムで稼働するP2Pモジュールの存在だ。こうした環境ではモジュール自体がクラウドネイティブ化されておらず、市場の変化に柔軟かつ迅速に対応することは難しい。また、企業全体の支出を管理するための機能が全て提供されているとは限らないので、結果として最終的な収益に悪影響を及ぼしかねない。
本コンテンツでは、購買・調達部門の業務の最適化と、企業の収益の最大化に、本当にERPシステムのP2Pモジュールが貢献できているのかを、6つのポイントから検証・考察する。この中で指摘されている、レガシーERPシステムに起因する問題が顕在化している場合は、ビジネス支出管理(BSM)に特化したシステムの導入も検討すべきだろう。