電子機器を冷却する目的でコンポーネント上に配置されるヒートシンクだが、どのような状況においても常に効果的に冷却できるわけではない。
本資料では、ある電子機器向け熱流体解析ツールを用いたシミュレーションテストの結果を紹介する。基板上のBGAパッケージとTOパッケージにヒートシンクを設置した場合と設置しなかった場合で、周囲温度に対するジャンクション温度の上昇率の違いを見ると、BGAパッケージにヒートシンクを使用した場合では、ヒートシンクを使用しなかった場合の27%と、大幅に減少した。これに対し、TOパッケージにヒートシンクを設置した場合では、ヒートシンクを使用しなかった場合の81%という結果となった。
ヒートシンクは万能ではなく、パッケージの種類や設計に応じて効果が大きく異なるため、適切な熱設計を行うにはその点に留意する必要がある。資料では、シミュレーションテストの結果を通じ、ヒートシンクを最適に使用するにはまず熱の流れを詳細に観察して熱挙動を理解し、その上で使い方や配置方法を決定すべきだとしている。
※本資料は半導体・電子機器の熱解析と測定/第1回(全2回)となっている。