次世代のコンピュータとして量子コンピュータの開発が進められており、2030年代には実用化される見込みだ。量子コンピュータは既存のスパコンの1億倍以上の速度で、複雑な演算を行えるという。ただ、この量子コンピュータの圧倒的な演算能力を、サイバー攻撃に悪用されかねない点には注意が必要だ。
例えば暗号化だ。現在の暗号化では、RSA暗号や楕円曲線暗号というアルゴリズムが一般的だが、量子コンピュータで暗号を解析する「ハーベスト攻撃」という懸念が浮上している。「まだ実用化されていないのだから大丈夫だ」と考えるのは早計で、早期に安全な暗号方式に移行しておきたい。
そこで、官公庁や金融機関をはじめ、多様な業界が目を向けているのが、量子コンピュータでも解読が困難な「耐量子計算機暗号(PQC:Post-Quantum Cryptography)」だ。本資料では、このPQCの取り組みの最前線と、その実装を支援するアプライアンスやクラウドソリューションを紹介している。検証用途のスターターキットもすでにリリースされており、その実力を確かめることができるという。