航空宇宙/防衛、5Gワイヤレス通信、医療用機器、計測器などのアプリケーションで用いられる電源ソリューションでは、要求されるノイズ性能に、ますます厳しい条件が課せられている。
このニーズを受け、近年の超低ノイズスイッチングレギュレーターは、広い周波数範囲で低い出力ノイズを実現するとともに、高い効率と出力電流能力を保持できるようになった。中でもアナログ・デバイセズのSilent Switcher 3テクノロジーを採用したICは、市販されるほとんどの低ドロップアウト(LDO)レギュレーターよりも、低周波数範囲(0.1Hz~100kHz)において卓越した低ノイズ特性をもつ。
本稿では「高性能フェーズロックループ(PLL)クロック」と「高速ADCシステム」という代表的な2つのRFアプリケーション事例をベースに、LDOレギュレーターを用いないSilent Switcher 3ソリューションを紹介。従来の降圧レギュレーター+LDOレギュレーターのソリューションと比較しながら、その利点を解説していく。