積水化学工業は、2030年までの集客倍増に向け、基幹システムの刷新と業務改革を進めている。しかし、4つの事業部門のうち2部門は、取引先の約75%を占める6000社がFAXやメールによる受注に依存しており、データ入力や確認作業の負荷が課題となっていた。そこで基幹システムの刷新に合わせ、受注業務の効率化とペーパーレス化にも取り組んだという。
この変革のために同社が採用したのが、クラウド型でB2B/EDIデータ交換を実現するデータ連携サービスだ。これにより取引先ごとに仕組みが異なるB2B領域を切り出し、基幹システムとのインタフェースを一本化。合わせてISDNのダイヤルアップ接続EDIを利用している取引先向けの直接接続EDI、FAXなど直接EDI以外の方法でやりとりしている取引先向けのモバイル対応Web-EDIを構築し、多様なニーズに柔軟に対応できる仕組みを整備した。
この環境整備により、受注データの可視化や例外リスクの迅速な検知が実現できた同社。受注量が増えても人的リソースを増やすことなく対応でき、当初の目的であるペーパーレス化や業務スピード向上も実現したという同社の取り組みをぜひ参考にしてもらいたい。