五稜会病院は、北海道札幌市にある精神科病院だ。同院は、患者の無断離院などのトラブルが発生した際、セキュリティカメラ映像から該当の瞬間を目視で探さなければならず、確認作業に多くの時間と労力を要していた。さらに、映像記録用機器を各階に設置する必要があり、コストや運用面での負担も課題だった。
同院は、このような状況を改善すべく、高い映像分析機能を備えたセキュリティカメラの導入に踏み切った。費用対効果に加え、クラウド管理に対するセキュリティ上の懸念も慎重に検討したうえでの判断だった。その結果、必要な映像を迅速に特定できる体制が整い、「服装や身体的特徴による検索」「特定人物の行動追跡」「混雑状況の可視化」など多様な機能が活用できるようになった。
導入後は、無断離院の疑いが生じた際にも、該当映像を速やかに特定し、状況を正確に把握したうえで迅速かつ適切な対応が可能となった。これにより職員の負担も軽減され、患者ケアにより集中できる環境が整った。今後はアラート機能の活用や権限管理の工夫を通じて、さらなる対応力の強化と運用の最適化を図る方針だという。