従来のパワーMOSFETは、オン抵抗(RDS(on))と安全動作領域(SOA)がトレードオフの関係にあり、RDS(on)を追求すると安定性が損なわれ、回路設計に大きな制約が生じていた。本資料では、このトレードオフを克服したパワーMOSFETを紹介する。
本MOSFETは、トレンチMOSFETが持つ低RDS(on)特性を備えつつ、プレーナーMOSFETに匹敵する広いSOAを実現している。突入電流および短絡シナリオに対する高い堅牢性、並列接続の容易さ、電流分配のばらつき抑制といった特長を備え、高信頼かつ大規模・高電流アプリケーションの設計を容易にする。最大ジャンクション温度は175℃であり、過酷な環境下でも動作可能だ。これらの特長により、バッテリーマネジメントシステム(BMS)やテレコム、サーバ、蓄電システムなど幅広いアプリケーションに対応する。
本資料では、充電・放電・電流制御用MOSFETを備えた典型的なBMS回路における本MOSFETの役割を解説する。また、保護スイッチとしてのSOAおよびRDS(on)性能の比較も行っているので、ぜひ確認していただきたい。