車載ソフトウェア開発プロセスの標準フレームワークの1つであるASPICE(Automotive SPICE)は現在、自動車メーカーがサプライヤーを選定する際の基準となっている。実際に、取引先からの受注要件としてASPICE対応が求められるケースや、品質向上および法令順守の観点からASPICEに準拠するケースが増加している。
一方で、対応を求められたサプライヤーの中には、「何から手を付け、どこまで対応すればよいのか分からない」という声も多い。これは、ASPICEを「開発プロセスのベース」と誤解していることに起因することが多く、まずはこの誤解を解消する必要がある。ASPICEの本来の位置付けは、「品質マネジメントのベース」であり、その意味を正しく理解することが重要となる。
しかし、仮にASPICEの位置付けを正しく理解できたとしても、それを自社に適切に取り入れることは容易ではなく、導入に失敗するケースも少なくない。そこで本資料では、ASPICE対応をスムーズに進めるために、よくある誤解とその解決策を解説する。