電源ユニットは、電子システムに欠かせないものであり、その安全性と信頼性は、システム全体の機能に直結する重要な要素だ。産業向けの新しい機能安全規格であるIEC 61508は、プロセス産業分野において機能安全を確保するための規範として位置付けられているが、その中でも、電源は「電気・電子・プログラマブル電子安全関連系とその他のサブシステムに対する要素/支援サービス」だと見なされており、厳格な基準が規定されている。
本稿では、E/E/PE SRSの電源に関するIEC 61508規格の規範的な要件と、それに従った設計を行う上で留意すべき事柄について、詳しく解説する。さらに、電源に関連するシステマチック・ハードウェア故障とランダム・ハードウェア故障に関する要件と、推奨される診断手法についても言及する。