低軌道(LEO)/中軌道(MEO)衛星の普及により、衛星通信システムには高速追尾や多ビーム化が求められている。従来の静止軌道(GEO)向け設計とは異なり、アンテナのフロント・エンド回路には高性能と小型・低消費電力を同時に満たすことが必要となり、部品選定の難易度が高まっている。
アクティブ電子走査アンテナ(AESA)構成において、各アンテナ素子近傍に配置されるローノイズアンプ(LNA)やパワーアンプ(PA)の性能が、システム全体のリンク・バジェットを大きく左右する。受信系ではノイズ指数(NF)、ゲイン、直線性(OIP3)が重要となり、送信系では出力電力と電力付加効率(PAE)が鍵となる。また、SWaP-C(サイズ・重量・電力・コスト)の制約下で性能や品質を最大化する実装が求められる。
本稿では、これらの要素を整理し、非静止軌道向けアンテナ・フロント・エンド・コンポーネントの選定指針を解説。最適なフロント・エンド設計の考え方について言及する。