クルマに搭載される電装システムのアーキテクチャは、急速に変化している。EV/HEVの増加に伴って、混合型の電圧システムの導入が広がっているのだ。また、少しでもコストを抑えるため、銅線に代わる有望な導体としてアルミニウム電線に注目が集まっている。
これに伴い、混合型電圧システムやアルミニウム電線が車両の安全性に及ぼす影響を評価し、コストと重量のトレードオフ(バランス)を理解することが設計プロセスの中でも重視されるようになってきた。
本稿では、コストと重量を削減するために、48Vのハーネスをどのように車両プラットフォームに実装して検証できるかを考察するとともに、電線の一部を銅からアルミに変更するプロセスを紹介する。実装した技術の利点を明らかにするために、車両レベルのさまざまな解析を実行し、車両レベルでのトレードオフ解析、FMEA(故障モード影響解析)レポートの自動生成、銅線とアルミニウム電線のサイズをプラットフォームレベルで最適化する取り組みについて解説する。
(2015年4月開催のSAE World Congress発表文献をSAEの許可のもと再発行)