自社製品の付加価値を高めたいと考えたとき、PVD(Physical Vapor Deposition)コーティングによる「長寿命化」は有力な選択肢の1つだ。PVDとは金属セラミックの薄い皮膜を形成する技術のことで、切削工具や金型、しゅう動部品のコーティングに利用される。
PVDコーティングの特長は、第一にその耐摩耗性にある。一般的なクロムめっきと比較して約4倍から7倍もの硬さの皮膜を形成でき、擦り減らない長持ちコーティングを作ることができる。またしゅう動性に優れた特性もある。相手部品と擦れ合う用途などでは摩擦低減、エネルギー損失抑制に寄与し、自動車の燃費改善などに貢献している。
他にも剝がれづらさや、温度変化への強さ、耐浸食性なども高め、これらの特性によって製品の長寿命化を実現する。本資料ではPVDコーティングの仕組みについて解説した上で、長寿命化でもたらされるメリットについて詳しく見ていく。