通常、金属素材を用いた製品・部品はそのままでは長持ちしないため、何らかの表面処理を行う必要がある。表面処理することで、単に寿命を延ばすだけでなく、塗装や研磨によって質感を高めたり、華やかにしたりして価値を高めることも可能だ。ただし、ひと口に表面処理といっても数多くの種類がある。
代表的なものだけでも、塗装や研磨をはじめ、めっき(ウェットコーティング)、蒸着(ドライコーティング)、溶射、アルマイト処理などがある。製品によって最適な手段は異なるが、中でも注目されるのが蒸着、特にPVDコーティングだ。
高い硬度の皮膜を形成でき、摩擦の低減も可能となる。また皮膜材料の選択肢が広く、選ぶ材料によって多様な特性を持たせられる。本資料では表面処理の基礎知識として、代表的な手法の違いを解説するとともに、PVDコーティングの導入に適した装置についても紹介する。